UKオリジナル盤専門の中古レコード店

店長日記

レコードと共に生きる

2012年09月30日

思えば、物心つかない幼い頃から私の周りにはレコードが常にありました。

親に買ってもらった童謡のレコードを中心に、毎日プレーヤーの前に座って耳を傾けていました。そしてそれだけでは満足できず、家にあったオトナのレコードさえも引っ張り出して聴いていました。歌詞の意味なんかまったく理解出来ないくせにです。

もともと音楽を聴くことは好きだったようですが、なによりターンテーブルをぐるぐる回るレコードをぼんやり眺めていることに幸せを感じていたようです。
そのせいか小学校に入る前から、子供向けレコードに多かった“コロムビア”や“CBSソニー”のレーベルの絵をそらで描けるという、とんでもない特技を持つ妙な子供でした。

一日中レコードを触っていてもまったく飽きない私にとって、CDの出現はとてもショッキングな“事件”でした。

あんな小さな銀の円盤から音が出るなんて意味不明でしたし、手のひらサイズの歌詞カードにも失望しました。ずっしりとしたジャケットの味わいも無く、なによりクレジットの文字が小さくて読めないじゃないですか!

CDが発売されてもしばらくはレコードを買っていましたが、やがて生産終了でCDを買わざるを得なくなりました。

そんな私もいつしかCDの音にも慣れ、CDが当たり前になっていたある日のこと(今から15年ほど前です)、とあるソフトロックのリマスターCDを聴いてた時のことです。
ヘッドフォンで聴いていたのですが、突然片方のヘッドフォンの音が数秒ほど聴こえなくなったのです。「あれ?」と思い、解説を読むと、音源が古いためマスターテープが一部損傷しているとのこと。「音源が古いんだから仕方ないか・・・・・おや?だとしたら、その当時のレコードを聴けばいいってわけか!?」

翌日から中古レコード屋めぐりです。時間はかかりましたが、念願のそのアルバムのオリジナル盤を入手した時の感動は今でもはっきり覚えています。当時のオリジナル盤ですからマスターテープの損傷などあるはずもなく、気持ちよく聴くことが出来ました。

それがきっかけとなり、再び私はレコードに囲まれた毎日を過ごすことになります。

私は60年代の音が好きなので、「ある程度集めたら終わりが見えるだろ」と軽く考えていたのですが、とんでもない!
終わるどころか、掘り下げたり、枝分かれしていったり・・・もう底なし沼です。
そんな状況のまま、今日に至っているわけです。

「誰か助けてくれぇ~」とか言いながらも、こんな人生も楽しいなぁ・・・なんて思ったりしています。
これがレコード・コレクターというものなのかもしれませんね。




ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット