UKオリジナル盤専門の中古レコード店

店長日記

トム・スプリングフィールド

2014年01月30日

「こんなに素晴らしい内容なのに、何故もっと評価されないんだろう
・・・」
と思わず首をかしげてしまうレコードってありますよね。
今回は、私が個人的にそう思う作品を1枚紹介します。

トム・スプリングフィールド『Love’s Philosophy』です。

ロンドン生まれのシンガー・ソング・ライターですが、
英国のガール・ポップを語る上で絶対に外せない
ダスティ・スプリングフィールドのお兄さんでもあります。

トムは、ソロ作品を2枚残していて
1968年にリリースした1st『Sun Songs』は
レアグルーブ/ソフトロック・ファンから絶大な支持を得る
ボサ・ノヴァ作品で、未だ高値で取引されるレア盤です。

で、今回紹介する『Love’s Philosophy』は翌69年の2ndになります。
1stの人気があまりにも高いがために
その影に潜んでしまった感のある不運なアルバムのような気がしてなりません。
人によっては
「え、トム・スプリングフィールドって、アルバムもう1枚出してるの!?」
とか言う始末、悲しすぎます・・・。
素晴らしいジャケ・デザインであれば
思わずジャケ買いして、奇跡の出会いを果たすこともあり得ますが
残念ながら、まずジャケ買いすることなど無いような
地味なアートワークのジャケット、救われません・・・。

という訳で、今回は『Sun Songs』ではなく
『Love’s Philosophy』のお話です。

まず驚かされるのは、1stの雰囲気とは全く違うということです。
1stではボサ・ノヴァ路線でしたが
この2ndは、気品すら漂うブリティッシュ・フォーク作品なのです!
フォークと言っても、アコースティック・ギターの弾き語りではなく
ハープシコードやフルート等の管弦楽器の音色に包まれた
英国特有の湿度・翳りを感じさせる美しい作品で
牧歌的、叙情的、メランコリック・・・といった言葉があてはまる傑作なのです。
スウィンギン・ロンドンを象徴するレーベル、
“イミディエイト”からリリースされていてもなんら違和感無いような音像の中
トムの素朴で透明な歌声が響き渡ります。
英国ならではの品のあるひんやりとした世界が好きな方には
たまらない作品だと思います。
妹のダスティ、そしてフォーク・シンガーのノーマ・タネガとのデュエットも
それぞれ1曲ずつ収録されています。

聴けば聴くほどに心に染みてくる名作、
もっともっと多くの人に聴いてもらいたい作品なのです。

こういう素晴らしい作品に出逢うと
まだまだ何処かに知られざる名盤が眠っているんじゃないかと思って
ワクワクしてきます。
厳選した作品をパッケージ化したCDとは異なり
アナログの世界は無限に拡がっています。
だからレコード収集はやめられないのでしょうね。



この度めでたくトム・スプリングフィールドの
『Sun Songs』と『Love’s Philosophy』の2枚が入荷しました!
本日、ショップにアップいたしましたので
ちょっと興味を持たれた方は、是非ご覧ください。

























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